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2014年3月24日 (月)

旅 (続き)

沢木耕太郎の「深夜特急」読み終えた。 

第一巻が出たのは1986年とある。 新聞に連載されたのが本になったそうで、
東からの旅人と西からの旅人が交差していく先々それぞれに旅の情報を交換
し合う。 おもにヒッピーたち。 ザックを背に安宿から安宿へ特に滞在の期間が
決まっているわけでなく移動していく。
これを読むと世界にはこんなにさまざまな「宿」があるんだと思い知る。
大部屋でベッドだけを借りるのは一番安い宿泊。 部屋を借りるのは少しましだが
売春宿や連れ込み宿。 ベッドがあるだけの部屋。 そうかと思えばブルーモスク
が目の前に見える部屋、しかもその向こうに海まで見えるイスタンブールのホテル
に少々高くてもその魅力に負けてしまうということも。

アジアで出会う若者たちとハッシッシに浸る毎日。 何とも全編けだるく身体の芯
から疲れ切ったさまが伝わる。 何かを求めて旅をしているという前向きさは無い。
ただその毎日に溺れている。 けだるくてへたをするとこちらまで腐ってきそう。
ただ救われるのは著者はルポライターでもある知性の持ち主。 腐れ切っては
いない。 けだるい海の底を漂っても先を読み進むだけの気力は残してくれる。

おもしろいと思ったことがひとつある。 「茶」について
日本のCHA(茶)に始まって、西へ絹の道(シルクロード)を旅する国々でCHAI
(チャイ)へとCで始まる茶がTEA、TE などTで始まる茶になるのに何とポルトガル
に来るとCHA(シャ)と再びCで始まる茶になるという一説。 そのまま引用すると:

   何ということだろう。 私は、あのイスタンブールのハナモチ氏が言っていた
  通り、ユーラシアの果ての国から出発して、アジアからヨーロッパへ、仏教、
  イスラム教の国からキリスト教の国へ、チャイ、チャといった「C」の茶の国から
  ティー、テといった「T」の茶の国に入ったものとばかり思っていた。 事実、
  ギリシャも、イタリアも、フランスも、スペインもすべて「T」の茶の国だった。
  ところが、そこを通り過ぎ、ユーラシアのもう一方の端の国まで来てみると、
  茶はふたたび「C」で始まる単語になっていたのだ。
   ポルトガルでは、CHAはチャではなくシャと発音するということだったが、「C」
  の仲間であることに変わりはなかった。

紅茶のお茶の葉はもともとは緑茶で同じ茶葉が発酵するとああなるそうだ。 また
最近知ったのだが中国で最も飲まれているのは緑茶であってウーロン茶のような
発酵茶は一部でしか飲まれていないんだそうだ。 いずれにせよ呼び名はきっと
元は中国。 伝わるにつれ変化していったのだろう。 悠久の時を感ずる。

 

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