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2014年3月10日 (月)

井上靖 しろばんば

先日井上靖は大好きな作家と書いたが 片づけをしていたら雑誌が出てきて、それに
伊豆の特集が出ていた。 その中に井上靖の「しろばんば」が紹介されていた。 
そのままここに載せてみる。
  しろばんばとは、秋から冬の夕刻に浮遊する綿くずのような生き物のこと。
  両親から離れ、伊豆の湯ヶ島で老婆とくらす少年・洪作が、豊かな自然と
  複雑な家族関係のなかでたくましく成長していく本作では、秋の情景も折々で
  描出されます。 なかでも印象的なのは、洪作が思慕していた叔母の死を知る
  とき。 それは「雑木の葉裏が時折銀色に輝いて」、「天城の斜面に初秋の風が
  渡る日」のことでした。

「 」の中はしろばんばからの引用。 やっぱり詩的で香りを運ぶ風のような文だと
感じます。

「敦煌」を始め「蒼き狼」など中国に材をとった歴史小説も多数あるが、私が一番
好きなのはこの「しろばんば」。

時代は多少違うのだけれど日本の原風景を感じる私にとってはノスタルジックな
作品なのだ。 自分が子供だった頃を思い出す懐かしい世界。 海外に行って
しまう友人に日本が恋しくなったら読んでみてと言って、渡したこともある本。
急に思い出したのはこの本から私が受験した高校入試に国語の問題として
出されたこと。 ラジオで宇野重吉さんが朗読されたのを聞いていたがまさに
その箇所が出題されて、朗読を頭に思い浮かべながら受験した記憶がある。
幸い受験には通りました。

「しろばんば」は井上靖の自伝的小説といわれているが青年期を描いた「あすなろ」
という作品もある。 でも私には断然「しろばんば」の方がすぐれている、と思う。 

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